秩父鉄道「SL整備体験」C58363号機 2023.12.29 ver1.1
  2023年秋、初めての整備体験イベントが開催された。
こういったイベントを待っていたのだ!

自分は、ただ単な撮影会では物足りない、コアユーザーだったのを再認識した!!
 埼玉県の熊谷駅より秩父鉄道に乗り換えて3駅目!ひろせ野鳥の森駅下車、徒歩15分へ!


 ひろせ野鳥の森駅下車して、踏切を渡り住宅地をグーグルマップの案内の通りに進む。
いい天気だ! 日頃の行いが物語っているのか?(笑)
ん?途中、また踏切を渡るルートなのだが、すでにその踏切は無くなっている、、、
(転車台の近くに踏切後が、、)あるんだな? こういうこと、、、
しょうがない、サイクリングコースを歩くか? 

 広瀬川原車両基地の横に通っているルートだ、、、
車両基地が見えてきた、、、おっ転車台が見える!SL基地ならではの装備だな!
わくわくしてきた!
 茶色の4軸電気機関車が見えてきた。
EDなんとかなんだろうけど、遠くてそこまで読み取れない。
 残念ながら今日は車移動ではないので、望遠レンズは重いから置いてきた、、、
もう少し進むと、通勤型電車が見えてきた、、、
 何系だろか?(電車にはあまり詳しくないことが露呈!)
何両編成だっただろうか、先頭車を真横に見れるとき、つ、ついに蒸気機関車の姿が見え始めた。

 C58363!!登場!
C11やD51の中間的サイズで、活躍当時、貨物旅客兼用SLだったのだ!
ミニ版D51とも言われる、煙突の前に横向きに取り付けられた給水温め機がD51似なのだ!
 ミディアムサイズのSLで、最近一番好きなSLである。
SL銀河も同様のC58であったがすでに引退してしまった、、、残念!
ま、勇姿を見に行けたからよかったが、、、

 話はもどって、、
どんどん歩きながら、SLの写真を取り続ける、、、
少し遠い、、、ま、整備体験時に接写はできるだろうから、良しとしょう!
 さらにどんどん歩いて、また踏切を渡る、で少し行くと広瀬川原車両基地入口に到着!

 13時前に到着して、誰もいない、、?!
一瞬、時間を間違えたかと、、
 仕事がら、早めに到着するくせがあり、受付30分前、だ、だれもいない、、、
しょうがないので、構内に入ってC58にもう少し近づいて、右側を撮る、、
興奮しているせいか、逆光ぎみになっていることに気が付かなかった、、、
い、いかん!まあ、後で気がついたんだけど、、、冷静でないといい写真は撮れないね!?
しかも、いつの間にかAF-SWがOFFになっていたことも気が付かず、、、、
 まあ、途中で気がついたんですけど、、、
まあ、デジカメなんで、フィルムと違い、写りが悪ければ削除すればいいだけですからね!
毎回、後でもっと撮影しておけば良かったと思うことが多いので、今回はシャッターを切りまくりました。

  今日は、13:15からの受付で、6名参加、2グループに分けてスタート。
1名女性もいたー
 平日3日間だけの開催で、午前と午後の部があった。
 各部3名ずつ募集していた。
 後で思ったが、キャブ内は狭いので、3名+乗務員1名の4名でギリギリだった。
 そういう事なんだなと!
 費用は、15000円!


 整備点検なので、片方グループはキャブ内へ、もう片方のグループは外の足回りに、、
下記の順番で、連携して点検を行った。
 ヘルメット、軍手、上着を借りて、点検作業に、、

 軍手の中には、薄手のビニール手袋をはめてから、、、
中で滑る、、オイルご浸透しない様にとの事、、
なら、自分の自動車整備用の手袋持ってくればよかったかな?

 < 前半 >
    1.前照灯、点灯テスト
キャブ内から、掛け声と手合図で、「前照灯点灯!」と、指示
してキャブ内の担当にSWを入れてもらう。

発電機からの電気が流れて、黄色く光る、、、
なんだか暗いな、、、

聞き忘れたが、ハロゲン球なのだろうか?
HIDや、LEDではない事は確かな気がする、、
夜間ではちょっと暗いのではないかな?
自動車は、HIDそして明るいLEDに慣れているので、そう感じるのだと思う。
    2.ピストン弁テスト、開け、閉め
これも、掛け声と手合図で行った、、なんて言ったか忘れてしまったー
 シリンダーの上部カバーを開けての点検である。
中が見れるのは興味津々である。
 これは、バルブの開け閉めの音でしか確認できない。
運転席の前部にあるコックで操作する。


 これで、シリンダーに蒸気を送り込み動力が発生する仕組みである。

    3.シリンダー排水弁、開け閉め
 シリンダーに入った蒸気が冷えて、水になる。
それを吐き出す為にある排水弁。
 よくSL写真等で、左右のシリンダー下辺りから、白い水蒸気がでてるやつである。

 SLで、ドレンを切るとは、この事!
点検では、開けると水がチョロチョロ出た!

まあ停車中なのでシリンダーに蒸気を送っていないので水蒸気は出ない。
   4.砂巻き、前、後
 運転席の左側にある「砂まき作用コック」を、順番に、前、後に倒す。
 すると、C58の主動輪である、第二動輪の前後から砂が蒸気とともに吐き出る、、要はメインロッドの動輪だな!
 ほ、ほこりっぽい、、線路の下の白つぽい砂がそれ!
勾配があって滑るとき使うんだなー
よく動画で空転しているのをよく見るな、、 

 


 
5.主連結棒、クランクにオイル差し
 油ツボ蓋を、2本を溶接した手製スパナーで、緩める。
トルクレンチは、使わないそうだ。
 スパナーをあてたら、空いてる手で、スパナーのハジをコツンと叩くと緩む。
 中には、オイルがどの程度浸透していくかの調整具が入ってましたー
 すぐに無くなると、やばいですもんねー!
ちなみに、100%化学合成ギアオイルだそうです。
ここの中には、メタルが入っているんですねー
凄いですねー、車のエンジンなら、クランクはオイルに浸かっていんるですけど、
 揺動分に全てオイル差しをしなければならないんですねー
どれが1か所でも、忘れると焼き付くと大変ですねー

※すみません、自分は、自動車と自動二輪、ユーザー車検整備歴約40年なんで、少しマニアックなところまで、、、

クロスヘッドは、機能美に溢れてて素晴らしく美しい!

 
  6、打音テスト、
 油ツボ蓋が緩んでないかハンマーで叩いて、音で判断する。
油ツボ蓋の角が丸まってきたら、溶接でまた盛り上げて使うそうだ!

 
7、ブレーキテスト

 自転車のブレーキパッドみたいな、ブレーキーシュー(制輪子)が動く。
 時たま、空気圧縮機が動作音がする。
色々な部位を操作すると、圧縮空気を使うからだなー
 < 後半 >
運転室(キャブ)内に移動!
脚立を使っての乗り込みであった。
本来なら、何も使わずに乗り込むのだろう。
それも体験したかったのだが、、、

 お、お!、ここが乗り込みたかった、運転室!(キャブ)
写真や動画、模型等でよく見ていたから、大体のことはわかる。
 キャブ内は、温かい、、、カマに火が入っているからである。
真夏でなくてよかった、2023年の今年は異常な暑さだったからな、、

よく静態保存のSLのキャブ内は、入った事はあるが、動態保存や営業車両で火の入ったSLは初めて!
死んでいるSLと生きているSLでは大違いだなー


  1、前照灯ONOFF
 運転席側上部にあるSWを、引いたり押したりして、ONOFFする。
 それにしてもキャブ内は所狭しと、色々な操作パネルだの配管だの雑然と配置されている。
静態保存SLでは、色々な部品が無くなっておりスッキリしていることが多いが、生きてるSLは違う!。
 メカマニアとしては、興味津々、ここぞとばかりカメラを向けまくり、シャッターを連続で押し続ける!

   2.ピストン弁テスト、開け、閉め
 運転席の前部にあるコックで操作する。

発車のの時は、
逆転機をニュートラルから前進に切り替えてからこの弁を開けるのだろうか?
    3.シリンダー排水弁、開け閉め
 運転席の前部にあるコックで操作する。
運転席から見える風景は、車両の左半分だけ、、、
視界が悪い、、
右側は助手席から見る。
車でいうワイパー装備である。
  4.砂巻き作用コック、前、後
 運転席の左側にある「砂まき作用コック」を、
順番に、前、後に倒す。

 主動輪の前側と、後ろ側に砂が出る。
一番パワーの出る、主動輪だけに対して砂をまく。
 

各主要蒸気分配箱、バルブの説明
蒸気分配箱に弁ハンドルが多数ついている!
主止弁ハンドル
発電機、
空気圧縮機、
見送り給油器(重油?)
給水ポンプ、
暖房、
通風機
重油を吹いて、燃焼(蒸気圧力)を一気に上げたいときに使うそうです。
 
 バルブを見てると、くりくり回したくなるのは自分だけ??
左右には水面計が見える。

本当、運転制御するには、色々な操作をしないといけないので忙しそうだなー
   真ん中のデジタルメーターは、発電機で発生している電圧だ。
蒸気バルブを加減して、電圧を上げる。
 発電機用蒸気バルブで、調整して38vぐらいにしておかないと、前照灯付けると、電圧が下がる。

テンダーに小さいバッテリーを積んでいるが、、、
  5,ブレーキかけ、緩め
  機関車ブレーキ、客車ブレーキ
今回は客車は連結していないので単独ブレーキにみの操作をした。、
逆転機の説明、車で言う変速機だなー。
加減弁テコハンドル説明、車で言うアクセル。
 
ほーなんとも配管がいい感じ!
 
運転室天窓は、空いていた!
 
キャブ内後方、テンダー側!
キャブ内は暗いから照明電球が付いていた!
 
右側のBOXはなんだっけかな?
   
キャブの窓からナンバーを撮影。 
浮いて取り付けられているんだな!
 



6,投石炭、
(撮影ポイント)
 スコップの持ち方から教わった。
両手でスコップを持つのだが、右手は内側?を持つのだそうだ! 画像で確認あれ!
 柄のお尻を持つと、手をぶつける事があるそうです。
で、左足で、床のボタンを踏んでカマのカバーを開ける!
タイミングを間違えると、閉まってる時に入れようとしてしまう。(このC58は、動力式焚口戸という!

走行中揺れるキャブ内で、これをやるのは重労働だろーな!

 でも、うあー楽しい!
興味のない人から見ると何でもないんだろうけど、
 まさに、燃えてるカマに石炭を3回もほりこんだー
こんな体験は他では出来ない!
唯一無二!

もしかしたら、今後他鉄道会社でもやるかもしれないが、現時点ではここだけ!
関東で一番近いSL運転しているので、関東在住者にはありがたい!

  カマの手前だけ石炭を焚べてる。
 平日は、火を絶やさないからだそう。
 運
行時は、満遍なく、石炭を撒くとの事。

左の画像は、運転士さんのお手本!

全員、順番に
投炭したー!

 
真ん中に泥溜がある、、
 
動輪と空気圧縮機の下部。
 
クロスヘッド、う、美しい! メカマニアの発言!
 
シリンダーを後方から、、
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余談
 動画撮影禁止だった為、思い出しながら記事を書いているので、
もしかしたら正しい用語を使ってないかもしれません。
 ボイスレコーダー持っていけばよかったなー

 ネットにあげて、見たら行かなくて良くなる事もありそうだからという事でした。
たぶんそうは思わず、行きたくなると思いますけどね、、、
 でも、この体験は、行って現場で感じないと半減してしまいます。
 SLマニアを自認する方は是非参加すべきだと思いました。

   毎週土日SL運転している間の月曜から金曜日は、
カマの火を燃やし続けるんだってさー

なんで、常に火番が1名いるんだって、、
ご苦労様です。
一度消しちゃうと鉄の収縮があり、機関車によくないらしいです。
   
   運転士の田口さんをはじめとする、整備関係者、広報担当者さまには、お世話にになりました。
 本当、好きでないと出来ない仕事だけど、好きなだけでも出来ない仕事ですねー

 
運転士、田口さん、40代
18から、鉄道員、SL乗務は2年
1年助手やってから、機関士に!
前は電車に乗ってたそうだ。
志願して機関士になったそう。

色々な質問にも丁寧に答えていただいたナイスな方でした。
また、乗りに行きます!
   「出発進行!」的な声が聞こえてきそうな写真!
いーですね!

   整備の方は、
グランプリ出版「蒸気機関車メカニズム図鑑」を持ち歩いている事を発見!
なんと、自分も持っているので、このレポートを書くときに参考にしました。
よく理解できました。
感激!

 この書籍を持っているマニアさんは、このイベントに是非参加されるといいと思います。
SLの各機能がよく分かる様になります。

< もっと体験したかったのが、、 >無理を承知で書いてみた、、

・警笛ならしたかった、、(まあうるさいからダメなんでしょけど、、)
・逆転器の操作
・連結&切り放し、旗で指示するやつ
・テンダの石炭積み込み、ならし、、
・テンダの水補給
・煙室ドア内の清掃
・灰落し
もっと言えば、構内でいいから、引き込み線内で数十メートルの走行同乗体験、
キャブ内で見てるだけだけど、、、
これが出来たら本望だなー

 まあ、とにかく興奮しっぱなし、アドレナリン出っ放しの1時間半でしたね〜
また、いつ開催されるか分かりませんが、マニアさんは、要チェックですねー
CO2問題が世界的になっている昨今、逆風ではありますが、いつまでもSL営業は続けて欲しいものです。


<写真画像> 
 自宅に帰って、画像を確認していると、全く無いのが上面の画像! 
もっとも地上にいた訳だから当たり前なんだけど、上空からの写真が撮れたら良かった!
自分は、鉄道模型もやっているので、重要な資料映像となるのだから、、、
 あとは、シャッターをばしばし切ってたからか、たまにピントが合ってなかったり、逆光気味だったり、、
また、撮影に行きたいと思った、、、

 <自分が、こんなSL好きなのは、>
 祖父が、西舞鶴駅客貨車区の第一助役だったから、影響を受けたのかどうか分かりませんが、
よく、京都〜西舞鶴まで山陰本線で小学生時代、帰省してたのが大きく影響してるのではないかと思います。
小学校の卒業文集に、SLの運転士になるのが夢でしたので、、、
 祖父はそれを聞いて、新幹線の運転士になったほうがいいと、言っていたそうだ。
実はキハ20系統の普通気動車も好きです。

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<参加して、>
荷物は少な目に、、、
汚れても良いズボンがいい。上着は貸してもらえる。
11月だったから、キャブ内は暖かかった、
真夏だと脱水症状になるんだろ〜な!
運転士さんは、真夏には何本も水を飲むそうだ、、、

お土産に、
秩父鉄道オリジナルのクリアホルダー、布バック、メモ帳、そして石炭をいただきました!

  また、開催をお願いしたいものです。
SL運転士の田口さんをはじめ、秩父鉄道スタッフの方々、
とても貴重な体験をさせていただきありがとうございました。


今後も秩父鉄道の活躍と発展をお祈りしております。